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ズージャグラフィー〔横浜ジャズ〕

吉元哲

ジャズ・フルートの歌姫

 【横浜発7月15日】第一弾は横浜が生んだフルートの歌姫、小宅珠実〔こやけ・たまみ〕さん(ご実家は中区)です。「女性ジャズフルーティストの草分け!」とか、「初リーダーアルバムが1979年!」なんて聞くとどんな女傑かと想像してしまいますが、実際にお会いしてみると、演奏を聴く前からファンになっちゃいそうな素敵な女性です。

 演奏活動の都合上、東京に拠点を移しているようですが、いかにも横浜を感じさせる演奏家です。ジャズ界ではめずらしく、楽器の持ち替えをせずにひたすら、フルートに徹してきたのはやっぱり、横浜人の頑固さでしょうか?『自分の歌でインプロヴィゼーション〔即興演奏〕している』と言い切る強さは並ではありません。今年リリースした『Hi-Fly』がちょうど、10枚目の記念すべきアルバムで、気力も充実しているようにお見受けしました。

 その小宅珠実さんのユニット(ピアノは横浜の恐竜マニアとしてテレビ出演もこなす田村博、ベースは高校教師から転進したというユニークな経歴を持つ志村洋一、ドラムは週末はディズニーランドのパレードでおなじみのマイク・レズニコフ)=写真=を関内〔中区〕の老舗ライブハウス『エアジン』にて聴きました。愛用のフルートは高校生の時から使っているといわれ、その若い容姿に惑わされてしまいそうになるけど、(ちょっと、待てよ!この人、ジャズギターの大物ラリー・コリエル、ピアノの巨匠ハンク・ジョーンズ、オスカー・ピーターソントリオで一時代を築いたベーシスト、レイ・ブラウンといっしょに演奏してるんだぞ、しかもリーダー格で)と自分に言い聞かせて、その演奏に集中してみました。

 フルートの音を「ダーク」と表現してはいけないだろうが、しっとりと落ち着いた音色が好い。選曲も、持ち替えの演奏家なら選ばないようなハードな曲を独自の解釈で料理してみせる鮮やかさ。バラードでは、フルートよりも4度音域の低いアルトフルートで、じっくりと歌い上げてくれる。途中で気がついたが、この人の演奏はだれにも似ていない。ジャズのフルーティストとしては特異なのかもしれないが、小宅さんは9歳のころからクラシックのフルートを勉強し、音大を卒業するころから、ジャズに傾倒していったようだ。これは「珠実ワールド」とでも表現すべき音楽空間なのだろう。

 ステージの合間に「ジャン・ピエール・ランパル〔クラシックフルートの巨匠〕がジャズの要素を取り入れたアルバムを吹き込んでいるがどうですか?」と聴いてみたが、「クラシック奏者がジャズっぽい演奏をしたり、逆にジャズ奏者がクラシックを演奏するのは、好きじゃありません」ときっぱり。さらに、先日亡くなったジャズフルートの大御所、ハービー・マンの大ヒットComin' Home Baby のリクエストがあったら、演奏しますかと意地悪く尋ねてみたら、『私なりの解釈で演奏します』とさらっとかわされてしまった。
 彼女のCDやスケジュールについて詳しい情報は小宅珠実さんのサイトへ。

旭ジャズまつりのお知らせ】

来たる7月27日(日曜)、旭区のこども自然公園にて『'03旭ジャズまつり』が開催されます。〔写真は7月13日に相鉄・二俣川駅構内で行われたオーディションで選ばれた「アフロ・リトモ・マキート」の演奏風景〕。お手軽にジャズ・フェスティバルが満喫できるのはうれしいですね。出演者は北村英治さん、水森亜土さん始め、多数。モダンジャズ派では角田健一ビッグバンドが。そうそうたるメンバーです。

【7月16日・「小宅珠美さん」と表記しておりましたが、「小宅珠▼実さん」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。吉元哲】